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✿ i piccoli campi ✿

プレーンな生活。小さな幸せ。

The Magic Barrel(魔法の樽)

著者
バーナード・マラマッド
1958年 英語 214ページ

 

Magic Realism: The Magic Barrel by Bernard Malamud

 

洋書を読んでもっと英語を勉強しようと決めてから購入した、私にとっては2冊目の洋書がこちらです。
初めてこの本を読んだのは、高校生の時でした。

 

この本は短編集で、タイトルの「The Magic Barrel(魔法の樽)」というのは、この本に納められている短編小説の中の1作品のタイトルです。
一つ一つの作品のあらすじをここで紹介すると、長くなりすぎてしまうので、ここでは省略しますが、全体を通して、作品の主人公はユダヤ人移民。
貧しさ、失望、その他のネガティブな感情がテーマのような感じでしょうか。

 

初めてこの本を読んだときは、まず、英語の勉強のためとして読んだので、本の内容を理解し楽しむ、というのは二の次でした。
単語が難しいなぁ、ユダヤ人が多く出てくるなぁ、英語じゃない単語がチラホラ出てくるなぁ、イタリア系も多いなぁ、という感じの印象で、当時高校生だった私にとっては、「難しい本」という印象が残りました。
その後も色々な洋書を読み進めていき、20代になって再びこの本を読み始めると、最初の時に感じたものとは、どこか違う印象をこの作品に持ちました。
数年に一度は読み返しているこの本ですが、読む年齢によって、感じ方が変わる、どこか不思議な本です。
最近になってまた、この本を読み返してみたのですが、細かな描写のその美しさだったり、作品に出てくる人物たちの細かな感情や仕草、そして作者が文章に隠したであろう皮肉や、表には出てこない駆け引きや人物間のやりとり、また、他の言語を個人的に勉強してみて、初めて人物が話す英語の訛などの特徴などが分かり、この本の世界観が、さらに奥深いものに感じました。
ロシア系ユダヤ人移民である作者。
奥様はイタリア系アメリカ人だそうで、この本に収録されている作品が、度々イタリアが舞台だったりとか、イタリア系の人物が出てくるのは、奥様の影響でしょうか。
私は日本人で仏教徒だから、ユダヤ人、またはユダヤ人移民が歩んできた道をしっかり理解するのは、かなり難しいことですが…そういうことをもっと学べたら、さらにこの本を楽しむことができるのかな、と思います。
歳を重ねるごとに、何度も読み返したくなるような、味わい深い不思議な本です。