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The Boy In Striped Pyjamas (縞模様のパジャマの少年)

縞模様のパジャマの少年 - 作品情報・映画レビュー -KINENOTE(キネノート)

 

監督・脚本
マーク・ハーマン
出演
エイサ・バターフィールド
ジャック・スキャンロン
アンバー・ビーティー
デヴィッド・シューリス
ヴェラ・ファーミガ
2008年 英語 95分

 

以前からとても気になっていて、観てみたいなぁと思っていた映画の1つ。
けどなかなか、実際に観てみる心の準備が出来なくて…。
そしてようやく、今回観る準備が出来ました。



ナチスの軍人を父に持つ、8歳の少年ブルーノは、父の仕事の都合で、それまで暮らしていたベルリンから、遠く離れた土地へ引っ越してきます。
そこには、遊び相手もいなければ、学校へも行けず、好奇心旺盛のブルーノの活動範囲は、家の中、そして家の表側の敷地内だけ。
毎日退屈な日々を過ごしていたブルーノですが、新しい住まいに関して気になることが。
自分の部屋の窓から見える、遠くにある農場のような施設。
そしてそこで働いている人たちが、みんなパジャマを着ているということ。
父に訊いても母に訊いても、満足な答えは得られません。
家の使用人の1人として働いている老人、パヴェルも、パジャマを着ている1人でした。
ある日、ブルーノは大人の目を盗み、家の裏側へ遊びに出かけます。
退屈な日々から開放され、気の向くままに進んでいくと、たどり着いた先は、自分の部屋の窓から見えた農場のような施設でした。
そしてブルーノが目にしたのは、施設の敷地内の隅っこに一人座っていた、縞模様のパジャマを着た少年、シュムエル。
今まで聞いたことがないような不思議な名前を持った少年に、ブルーノは興味津々。
行くことを禁じられている場所へ行き、そして出会った友達。
2人の友情は深くなっていきます。
そんな矢先、また引っ越すことになってしまったブルーノですが、シュムエルから、シュムエルの父の行方が分からなくなったと聞きます。
友達の力になるべく、ブルーノが思いついたアイデアは、シュムエルや他の施設内の人達が着ている縞模様のパジャマを着て、施設内に入り、一緒に父を探すというものでした。

 

タイトルの「パジャマ」、「少年」という言葉に、どこか幼くピュアな印象がありますが、それとは反対に、「縞模様」という言葉は、ナチスの強制収容所のユダヤ人たちが着用していた服の模様のこと。
タイトル同様に、ブルーノとシュムエル、共に8歳の少年2人の純粋さと、その周りを取り囲む残虐で陰鬱な現実がそこにはありました。
ナチスに関する映画は、いくつか観てますが、例えば「戦場のピアニスト」のような、残酷な虐待シーンなどはほぼありません。
ですが、父の部下である中尉の、どこか冷たい目や、使用人パヴェルに対する怒声などが、ブルーノの周りのみにある平静を「保たれた」世界だからこそ更に目立ち、恐怖が伝わってきます。
そのコントラストもそうですが、個人的には、学校に行けないブルーノと姉のグレーテルのために雇われた家庭教師が来てからというもの、グレーテルがどんどんナチスに傾倒していく様が、何だか不気味で怖かったです。
内容自体はフィクションだそうですが、細部はかなりこだわっているそうで、ブルーノの家族のように、軍人である父以外は、ナチスの残虐な行為の実態を把握していなかった家族もいたようです。
8歳の子供には分からない現実を、子供なりに理解しようとしていたブルーノとシュムエル。
施設を農家と捉えていたり、シュムエルが着ていた服をパジャマと言ったり、純粋な子供の言葉が、余計に切なくて…。
2人が終盤に、手をギュッと握り合うシーンに、心が締め付けられるような感じがしました。
ブルーノの透き通るような青い瞳が、とても印象的でしたが、父親役の俳優さん、どこかで見たような気が…と思ったら、ハリー・ポッター・シリーズに出ていたルーピン先生じゃないですか!
ルーピン先生とはまるで正反対な役柄に、すごい俳優さんだなぁと感動さえしました。