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Sophie Scholl – Die letzten Tage (白バラの祈り ゾフィー・ショル、最期の日々)

映画 白バラの祈り ゾフィー・ショル、最期の日々 - allcinema

 

監督
マルク・ローテムント
脚本
フレート・ブライナースドーファー
出演
ユリア・イェンチ
ファビアン・ヒンリヒス
フリアン・シュテッター
アレクサンダー・ヘルト
ヨハンナ・ガストドロフ 他
2005年 ドイツ語 120分

 

今でもとても不思議なのですが、私はどういうわけか、小学校の低学年の頃から、「ユダヤ人」と「ナチス」について、興味を持っていました。
学校の図書室に入り浸っては、伝記を読み漁り、アンネ・フランクやヒトラーの本を何回も借りてる、いわゆる変な子でした。
クラスの子たちから変な目で見られてたけど、それでも興味は無くならず…、大人になっても色々と調べたりしていました。
ゾフィー・ショルについては、何かの本で名前を知って、ウェブサイトでも調べて、この映画を観るに至ったわけなんだけど、…この映画は、あっという間でした。
あっという間に、一人の女性の一生が、あっという間に鷲掴みにされ、あっという間に終わる。
一瞬で終わっていく。
ささやかな抵抗の間に出てきた人達の葛藤が、とても印象的でした。
きっとみんな、ナチス側の人間の多くは、自分たちのしていることの間違いに気付いてた。
うっすら気付いてる人もいれば、がっつり気付いてる人もいて、でもどうすることもできなかった。
話が少しそれるけど、この映画を観ていて、私はある人達のことが頭から離れませんでした。
私の主人のひいおじいさんとひいおばあさんです。
2年半前、主人と入籍しました。
アメリカ人の主人は、1ヶ月ほど日本に滞在して、入籍の手続きをしたりしてたのですが、どういう理由か忘れてしまったけど、ある日雑談中に、私が「小学生の時にね、読書に興味があって、アンネ・フランクとかナチスとかの本ばっかり読んでたんだ」と主人に言いました。
「えー、変な子ー」っていう返事が返ってくるのかと思ってたけど、主人は少し嬉しそうにしていて、「不思議だね、オレの血にもユダヤ人の血が入ってるし、なんか縁があるのかなぁ」なんて答えが。
え?ユダヤ人??
主人のお母様はドイツ人なので、ドイツ系のアメリカ人というのは聞いていたけど、いったいどうしてユダヤ人の血が?と聞いてみたら、「ドイツにいるお祖母ちゃんは、お母さんがユダヤ人だったんだよー」ってニコニコ。
「それでね、ちょっと悲しいけど、ロマンチックな話があるんだー」って言うので、聞いてみると…、当時ナチスの一員として生きていた主人のひいおじいさんは、ある日、いつも通り街を見回り(と称したユダヤ人狩り)をしていて、ユダヤ人の女性を見つけました。
ユダヤ人を見つけたら、連行しなければいけないし、抵抗したら殺すところなのですが、ひいおじいさんは、その女性を見逃しました。
ユダヤ人にとっては、恐怖の対象でしかないナチスの軍人なのですが、ひいおじいさんとその女性は、一瞬にして恋に落ちてしまって、2人は森の中に身を潜めて、誰にも見つからないように暮らし始めました。
ですがしばらくして、ナチスに見つかってしまい、捕らえられたのは同じナチスのひいおじいさん。
女性はその場にいなかったため、運良く見つからず、生き延びることができました。
仲間に捕まったひいおじいさんは、ユダヤ人を匿ったことから、ガス室送りになり、死んでしまいました。
生き延びた女性はその後、妊娠してることに気付き、赤ちゃんを産みました。
その赤ちゃんが、主人のおばあさん。
生き延びたユダヤ人女性は、ひいおばあさん。
「ナチスやユダヤとは全く関係のない日本人のナオミが、ユダヤに興味を持っているとか、そしてオレがユダヤ人の血を引いてるとか、なんだか不思議じゃない?」ってその後に主人に言われた時、そうだね、という返事のあと、家族の一員になった家の歴史の中に、そんなことがあったんなんて…と思うと、何だか切なくなった思い出があります。
この映画を観ていたら、ゾフィーと同じようなときに、いったい主人のひいおじいさんは、どんな思いだったのかな、ひいおばあさんはどんな気持ちでいたのかな、2人の家族はどうしていたのかな、とか…色々なことを考えました。
そして今、こうして普通に、食べ物にも困ることなく、何の不自由もなく暮らしている自分に対して、どこか卑しいような少しの嫌悪感も芽生えてきました。
あの当時の人たちの人生や、生き抜いてきた日々を考えると…。