✿ i piccoli campi ✿

イ・ピッコリ・カンピ

更新状況。

先月16日からの1ヶ月間で、更新した記事です↓↓↓


【映画】
🍀 杉原千畝 スギハラチウネ
🍀 Le Fils de l’Autre (もう一人の息子)
🍀 殿、利息でござる!
🍀 The Boy In Striped Pyjamas(縞模様のパジャマの少年)

 

【音楽】
🍀 粉雪

 

【本】
🍀 人生の折り返し点を迎えるあなたに贈る25の言葉
🍀 The Meaning Of Life −人生の意味−
🍀 The Magic Barrel (魔法の樽)

 

【人名】
🍀 【アイスランド】…女性の名字

粉雪

by レミオロメン
作詞・作曲
藤巻亮太
2005年

 

www.youtube.com

 

粉雪舞う季節は いつもすれ違い
人混みに紛れても 同じ空見てるのに
風に吹かれて 似たように凍えるのに

 

僕は君の全てなど 知ってはいないだろう
それでも一億人の中から 君を見つけたよ
根拠はないけど 本気で思ってるんだ

 

些細な言い合いもなくて 同じ時間を生きてなどいけない
素直になれないなら 喜びも悲しみも虚しいだけ

 

粉雪 ねぇ 心まで白く染められたなら
二人の孤独を 分け合うことができたのかい

 

僕は君の心に 耳を押し当てて
その声のする方へ すっと深くまで
下りてゆきたい そこでもう一度会おう

 

分かり合いたいなんて 上辺を撫でていたのは僕の方
君のかじかんだ手も 握りしめることだけで繋がってたのに

 

粉雪 ねぇ 永遠を前にあまりに脆く
ざらつくアスファルトの上 シミになってゆくよ

 

粉雪 ねぇ 時に頼りなく心は揺れる
それでも僕は 君のこと守り続けたい

 

粉雪 ねぇ 心まで白く染められたなら
二人の孤独を包んで 空にかえすから

The Boy In Striped Pyjamas (縞模様のパジャマの少年)

縞模様のパジャマの少年 - 作品情報・映画レビュー -KINENOTE(キネノート)

 

監督・脚本
マーク・ハーマン
出演
エイサ・バターフィールド
ジャック・スキャンロン
アンバー・ビーティー
デヴィッド・シューリス
ヴェラ・ファーミガ
2008年 英語 95分

 

以前からとても気になっていて、観てみたいなぁと思っていた映画の1つ。
けどなかなか、実際に観てみる心の準備が出来なくて…。
そしてようやく、今回観る準備が出来ました。



ナチスの軍人を父に持つ、8歳の少年ブルーノは、父の仕事の都合で、それまで暮らしていたベルリンから、遠く離れた土地へ引っ越してきます。
そこには、遊び相手もいなければ、学校へも行けず、好奇心旺盛のブルーノの活動範囲は、家の中、そして家の表側の敷地内だけ。
毎日退屈な日々を過ごしていたブルーノですが、新しい住まいに関して気になることが。
自分の部屋の窓から見える、遠くにある農場のような施設。
そしてそこで働いている人たちが、みんなパジャマを着ているということ。
父に訊いても母に訊いても、満足な答えは得られません。
家の使用人の1人として働いている老人、パヴェルも、パジャマを着ている1人でした。
ある日、ブルーノは大人の目を盗み、家の裏側へ遊びに出かけます。
退屈な日々から開放され、気の向くままに進んでいくと、たどり着いた先は、自分の部屋の窓から見えた農場のような施設でした。
そしてブルーノが目にしたのは、施設の敷地内の隅っこに一人座っていた、縞模様のパジャマを着た少年、シュムエル。
今まで聞いたことがないような不思議な名前を持った少年に、ブルーノは興味津々。
行くことを禁じられている場所へ行き、そして出会った友達。
2人の友情は深くなっていきます。
そんな矢先、また引っ越すことになってしまったブルーノですが、シュムエルから、シュムエルの父の行方が分からなくなったと聞きます。
友達の力になるべく、ブルーノが思いついたアイデアは、シュムエルや他の施設内の人達が着ている縞模様のパジャマを着て、施設内に入り、一緒に父を探すというものでした。

 

タイトルの「パジャマ」、「少年」という言葉に、どこか幼くピュアな印象がありますが、それとは反対に、「縞模様」という言葉は、ナチスの強制収容所のユダヤ人たちが着用していた服の模様のこと。
タイトル同様に、ブルーノとシュムエル、共に8歳の少年2人の純粋さと、その周りを取り囲む残虐で陰鬱な現実がそこにはありました。
ナチスに関する映画は、いくつか観てますが、例えば「戦場のピアニスト」のような、残酷な虐待シーンなどはほぼありません。
ですが、父の部下である中尉の、どこか冷たい目や、使用人パヴェルに対する怒声などが、ブルーノの周りのみにある平静を「保たれた」世界だからこそ更に目立ち、恐怖が伝わってきます。
そのコントラストもそうですが、個人的には、学校に行けないブルーノと姉のグレーテルのために雇われた家庭教師が来てからというもの、グレーテルがどんどんナチスに傾倒していく様が、何だか不気味で怖かったです。
内容自体はフィクションだそうですが、細部はかなりこだわっているそうで、ブルーノの家族のように、軍人である父以外は、ナチスの残虐な行為の実態を把握していなかった家族もいたようです。
8歳の子供には分からない現実を、子供なりに理解しようとしていたブルーノとシュムエル。
施設を農家と捉えていたり、シュムエルが着ていた服をパジャマと言ったり、純粋な子供の言葉が、余計に切なくて…。
2人が終盤に、手をギュッと握り合うシーンに、心が締め付けられるような感じがしました。
ブルーノの透き通るような青い瞳が、とても印象的でしたが、父親役の俳優さん、どこかで見たような気が…と思ったら、ハリー・ポッター・シリーズに出ていたルーピン先生じゃないですか!
ルーピン先生とはまるで正反対な役柄に、すごい俳優さんだなぁと感動さえしました。

殿、利息でござる!

『殿、利息でござる!』大ヒット上映中!

 

監督
中村義洋
脚本
中村義洋
鈴木謙一
出演
阿部サダヲ
瑛太
妻夫木聡
竹内結子
羽生結弦 他
2016年 日本語 129分

 

トルコ人の友人から、「日本のサムライの映画で、何かオススメなものはある?」と訊かれたある日。
YouTubeで探していたところ、見つけたのがこちらです。
「サムライ」というテーマでは無いのですが、個人的に気に入ってしまった作品です。

 

1766年の仙台藩領内の宿場町・吉岡宿。
仙台藩の宿場町には宿場町間の物資の輸送を行う「伝馬役」が役目として課せられており、通常は藩より宿場町に助成金が支給されているのですが、吉岡宿は藩の直轄領ではないため助成金が支給されていません。
このため、伝馬役にかかる費用は全て吉岡宿の住人が負担し、町は困窮し、破産者や夜逃げ者が相次ぐ有様でした。
このような町の有様を案じていた造り酒屋の当主・穀田屋十三郎は、町の窮状を訴えるため、代官に訴状を渡そうとしますが、京から帰ってきたばかりの茶師・菅原屋篤平治に命が危険であると止められます。
ある日の晩、未亡人、ときが営む煮売り屋「しま屋」で篤平治と偶然一緒になった十三郎は、吉岡宿を救う手立てが何かないか相談します。
篤平治が出した策は、吉岡宿の有志で銭を出し合い藩に貸して利息を取り、それを伝馬役に使うという奇策。
百姓がお上にお金を貸すなど、案を出した当の篤平治ですら夢物語と言うほど現実味がない策のように思われましたが、十三郎は策の実現のため、同志集めと銭集めに動き出します。

まずこの映画に出ている役者の方々がみんな、私の好きな俳優さん、女優さんだったので、最後まで本当に楽しんで観ることができました。
一番びっくりしたのは…羽生君だな(笑)。
いや、羽生君が出るなんて知らずに観たから…(汗)。
まさかの羽生君でびっくり。
そして、なんだか全く違和感なく演じていることにもびっくりでした!
阿部サダヲさんの演技で、目だけで演じるというか…、細かな所まで演じているところが、すごいなぁと思ったり。
そして映画の内容そのものも、まず実話がベースっていうのがすごい。
当時の人たちにとっては、本当に突拍子もない考えだったんだろうなぁ。
単なる夢物語のような、ありえない発想でも、そこに望みをかけて真摯に取り組む…、ある意味、馬鹿がつくほど純粋というか…。
でもそういう純粋さこそが、たくさんの人の心を動かしていくんだろうなぁ。
当時の人たちの粋な心遣いというものもあって、こういうような事案が今の世の中にあったとしたら、どうなっていたんだろうなとも思いました。
もちろんどの世にも、例えばこの物語の核として動いている穀田屋十三郎のような人が存在するのでしょうけど。
コメディー要素もあって、テンポも良く、とても楽しめた映画でした。
途中ホロリとさせられるところもあり、何度でも観たい映画の1つです。

 

 

 

The Magic Barrel(魔法の樽)

著者
バーナード・マラマッド
1958年 英語 214ページ

 

Magic Realism: The Magic Barrel by Bernard Malamud

 

洋書を読んでもっと英語を勉強しようと決めてから購入した、私にとっては2冊目の洋書がこちらです。
初めてこの本を読んだのは、高校生の時でした。

 

この本は短編集で、タイトルの「The Magic Barrel(魔法の樽)」というのは、この本に納められている短編小説の中の1作品のタイトルです。
一つ一つの作品のあらすじをここで紹介すると、長くなりすぎてしまうので、ここでは省略しますが、全体を通して、作品の主人公はユダヤ人移民。
貧しさ、失望、その他のネガティブな感情がテーマのような感じでしょうか。

 

初めてこの本を読んだときは、まず、英語の勉強のためとして読んだので、本の内容を理解し楽しむ、というのは二の次でした。
単語が難しいなぁ、ユダヤ人が多く出てくるなぁ、英語じゃない単語がチラホラ出てくるなぁ、イタリア系も多いなぁ、という感じの印象で、当時高校生だった私にとっては、「難しい本」という印象が残りました。
その後も色々な洋書を読み進めていき、20代になって再びこの本を読み始めると、最初の時に感じたものとは、どこか違う印象をこの作品に持ちました。
数年に一度は読み返しているこの本ですが、読む年齢によって、感じ方が変わる、どこか不思議な本です。
最近になってまた、この本を読み返してみたのですが、細かな描写のその美しさだったり、作品に出てくる人物たちの細かな感情や仕草、そして作者が文章に隠したであろう皮肉や、表には出てこない駆け引きや人物間のやりとり、また、他の言語を個人的に勉強してみて、初めて人物が話す英語の訛などの特徴などが分かり、この本の世界観が、さらに奥深いものに感じました。
ロシア系ユダヤ人移民である作者。
奥様はイタリア系アメリカ人だそうで、この本に収録されている作品が、度々イタリアが舞台だったりとか、イタリア系の人物が出てくるのは、奥様の影響でしょうか。
私は日本人で仏教徒だから、ユダヤ人、またはユダヤ人移民が歩んできた道をしっかり理解するのは、かなり難しいことですが…そういうことをもっと学べたら、さらにこの本を楽しむことができるのかな、と思います。
歳を重ねるごとに、何度も読み返したくなるような、味わい深い不思議な本です。

Le Fils de l'Autre (もう一人の息子)

Le fils de l'autre (2012) - IMDb

 

監督

ロレーヌ・レヴィ
脚本
ヴィルジニー・ラコンブ
ラファエル・ベルドゥゴ
出演
エマニュエル・ドゥヴォス
パスカル・エルベ
ジュール・シトゥルク
メーディ・デービ
アレーン・オマリ 他
2012年 アラビア語・英語・フランス語・ヘブライ語 110分

 

フランス語の勉強のために、フランス映画を探していて、見つけたのがこちらの映画。
あらすじなど、ほとんど知らないまま観始めたのですが、とても考えさせられる映画で、そして何度も観返したくなるような映画でした。

 

舞台はイスラエル。
シルベルグ夫妻には、18歳になる息子のジョセフがいます。
イスラエル国防軍に従軍するため、様々な審査を受けていたジョセフですが、その過程の1つであった血液検査で、ある問題が発覚します。
両親の血液と自分の血液が一致しないのです。
何かの間違いではと思い、DNA検査もしてみますが、その結果はやはり、残酷なものでした。
ジョセフが産まれた病院が原因を調査したところ、ジョセフが産まれた日の夜、空爆による混乱が起き、その中でジョセフともう一人の赤ちゃんが取り違えられてしまったことがわかりました。
ではジョセフの本当の両親は、シルベルグ夫妻の本当の息子はどこにいるのでしょう。
病院側は彼らの居場所を探し当てましたが、そこは敵対するパレスチナ自治区、彼らはパレスチナ人でした。

 

赤ちゃんの取り違えなど、あってはいけないことです。
けれどそのような悲しい出来事は、今までもたくさん起こって、今現在でも起こっている可能性もあります。
自分の本当の両親を見つけられないまま、そして取り違えられたことも知らないまま、血の繋がらない家族と一生を過ごしてきた、または今現在過ごしている人たちもいるでしょう。
ただそこに、人種や宗教が絡んできたら、どうでしょうか。
ただでさえ複雑な問題が、さらに複雑なものに…。
「母親なら自分の息子くらい分かるだろう」というような事を、ジョセフの父親が奥さんに言うシーンがありました。
ですが、赤ちゃんを取り上げられたその直後に、自分の赤ちゃんの姿をまず見ることなく、空爆から避難をし、落ち着いたところで「あなたの赤ちゃんですよ」と言われたら、そしてその赤ちゃんがすでに取り違えられた別の赤ちゃんだったら、どうでしょうか。
白人夫妻から黒人の赤ちゃんだったり、または逆だったり、両親と赤ちゃんに決定的な違いが無ければ、分からないかもしれませんね。
成長する過程で、「あれ?」と思うことはあっても、生まれたばかりの赤ちゃんですから…。
イスラエルとパレスチナ、敵対するそれぞれの相手に、2つの家族が歩み寄ります。
でもやっぱり、足が止まってしまう、でも歩み寄らなければ、というもどかしさがありました。
でもそこには、家族の大きな暖かさ、家族だからこその絆があって…。
それぞれに、それぞれの思いがあって、そしてそれらはどれも間違いではないと思いました。
血で繋がっているから家族、そして血が繋がっていなくても、家族なんですね。
だって、当たり前のように赤ちゃんの時から18年も一緒にいたんですもの。
家族は血が全てではないです。
この映画の終わり方には、もしかしたら疑問を抱く人もいるかもしれないけれど、私は個人的に、とても良い終わり方だったかなと思います。
最後の終わり方の余韻に浸りながら、家族について、絆について、色々な事を考えることもできました。

The Meaning Of Life -人生の意味-

著者

ブラッドリー・トレヴァー・グリーヴ
2003年 英語・日本語 137ページ

 

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ブルーデイ・ブック・シリーズをご存知ですか?
私はこのシリーズが大好きで、本をプレゼントしたいな、となった時に、このシリーズが真っ先に候補にあがるほどです。
モノクロの素敵な写真と、短いけれど心を鷲掴みにするような、ハッとさせられるような新鮮な言葉たち。
ページ数だけを見れば、ちょっと長い本なのかな、と感じるかもしれないけど、なにせそれぞれのページに書かれてる文章が短いので、あっという間に読めてしまいます。
そして一度ページを捲って読み始めると…このシリーズの不思議な魅力に包まれて、最後まで止まらずに読めてしまいます。

 

私はこの本を、主人にプレゼントしました。
今まで、何回かこちらの趣味ブログでも、日記ブログのKaffitimi(Kaffitími ☕☕)でも触れましたが、主人は米軍勤務しています。

20歳の時に米軍に入り、アメリカ国内を転々としながらトレーニングの毎日。
その後、海外での勤務が始まりました。
23歳くらいでした、主人のイラク派遣が決まったのが。
期間は15ヶ月。
知り合った本当に最初の日から遠距離だった私達、お互いに自然と「付き合ってる」と認識し始めて、毎日メールやチャットをしながら楽しく過ごしていた頃でした。
いきなりのイラク派遣、私はどうやってリアクションしていいのかわかりませんでしたが、そんな私に主人が言いました。
「無事にイラクの任務から帰ってこれたら、日本に行く。日本に行って、ナオミの家族に会って、ちゃんと挨拶したい。結婚しよう。」
嬉しかったけれど、不安でした。
イラクでの任務は、たまに1ヶ月ほど連絡が取れないこともありましたが、それでも時間がある時は毎日連絡を取りました。
長かった15ヶ月。
テレビやネットで見聞きするような悲惨なニュースの、さらに悲惨な内容を聞いたこともありました。
大きな怪我をすることもなく、主人は無事にイラクから帰還して、その後約束通り、私の両親へ挨拶する為に来日し、婚約をしました。
それからほどなくして、今度はドイツへの派遣が決まりましたが、私は全く知りませんでした…ドイツという国が、米軍にとって、中東派遣への中継地であること。
「ドイツだったら、安全だよね!」と呑気に言っていた私ですが、主人はそんな私に、今後高い可能性で控えている中東への再派遣を、伝えることができなかったと、後から教えてくれました。
もう二度と中東への派遣は無いと、私は思ってました。
そんなある日、主人が少し悲しそうな笑顔をして、私に言いました。
「あのね、大事な話がある。中東への派遣が決まったんだ。今度はアフガニスタン。でも、今回は9ヶ月だから。絶対に無事に戻ってくるから。アフガニスタンから帰ったら、籍を入れよう。夫婦になろうね。」
二度と無いと信じてた、中東への再派遣、しかも今回はアフガニスタンで、イラクよりも状況は厳しく、更に今回の派遣では、スティーヴンは自分の部下と一緒に行動し、部下を守りながらの任務。
「前も大丈夫だったから、今回も大丈夫だよね、きっと」
と笑顔で言って、仕事へ行く時間になった主人を見送り、ビデオチャットを終えた私は、ビデオチャットがオフになった瞬間に、声を上げて泣いてました。
アフガニスタンでの9ヶ月は、イラクでの15ヶ月よりも、長く感じましたし、辛いものでした。
日に日に主人の精神状態が不安定になっていって、…比較的、精神的に強い主人が、たった1度だけ、自殺未遂をしてしまいました。
命に別状は無く、弱ってる場合ではないと分かってた主人は、その後も不安定な精神のままで、任務につきました。
9ヶ月の間に何度も銃撃戦に巻き込まれて、2度、銃弾を受けて危篤になりました。
私は、その間、ただ無事を祈りました。
いつ届くかも分からないけど、毎日手紙を書いて毎日送りました。
手紙だけじゃなくて、主人の時間に合わせて寝起きして、主人がビデオチャットができる時間、いつでもビデオチャットができるように、部屋でずっと待ってました。
この本は、主人が精神的に不安定になって、自分を見失ってしまいそうだと不安を口にしたときに、手紙と一緒に送ったものです。
本の感想について、主人は何も言いませんでした。
その時は、読める状況じゃなかったかもしれませんし、私も「本届いた?読んだ?」なんて、呑気に聞くこともしませんでした。
毎日無事でいることを確認することだけで、十分でしたから。
9ヶ月のアフガニスタンでの任務を終え、無事にドイツへ戻ることができた主人は、その後来日し、約束通り、私たちは夫婦になりました。
ただ、お互いの仕事の都合により、一緒に生活するまでに時間がかかってしまいました。
2年前の冬、入籍して1年半ほど経ってましたが、まだお互いに別々な生活をしていました。
その頃すでに、ドイツから本国アメリカへ移り、アメリカの米軍基地で勤務をしていた主人。
私は冬休みを利用して、主人を訪ねました。
部屋の片付けをしていたとき、ベッドルームの棚に、きれいな布に包まれた何かを発見しました。
「これは何?」と訊くと、布の中身を確認してもいいよ、と言われたので、布を取ってみると…。
包まれていたのは、この本でした。
表紙には泥がついたり、ちょっとページが折れてたり破れてたり。
何度も読み返したあとがありました。
「本が届いてから、アフガニスタンにいる間、毎日読んでたんだよ。」
今でも、大事に取っておいてくれました。

 

私は、主人がアフガニスタンにいる間、まず主人の無事を一番に願っていて…特に主人が危篤の時は、自分の気持ちに余裕がありませんでした。
そういう状況を知りつつも、自身のことで悩みを抱えていた友人から、同じ時期に相談を受けたことがあったのですが、いっぱいいっぱいだった私は、友人の相談相手としては不十分でした。
「婚約者が戦地にいるから、ってよく言うけど、意味分からない。いつもそればっかり理由にしてる。」と言われ、その友人は離れていきました。
今の時代、家族が戦地にいる、という人は、日本ではあまり無いような事だとは思います。
なので、自分の気持ちをその友人にわかってもらいたかったという自分自身の弱さが、一番悪かったかなとも思いました。
相談に乗ってあげたかったし、力になりたかった、その言葉に偽りは無いけれども、行動が伴わなかったので、「嘘つき」呼ばわりされたのは、仕方ないかなと思います。

 

人生には色々な要素があって…大きな基盤は、もちろん家族です。
私の中では、友人も大きな基盤となってます。
結婚を気に、私の結婚の仕方というか、友人が思い描いていた行動を私が取らなかったことから、入籍後に激怒され、結果的に友人は私と縁を切ることを選びました。
私の人生において、大きな基盤の半分が、突然無くなってしまった感じでした。
それをきっかけに、精神的に病んでしまった私を、…病んだままその友人たちに復讐してしまった愚かな私を、正しい方向へ導いてくれたのが、主人と家族でした。
人生には、色々な局面があって当然。
ずっと平坦な道ばかりの人生なんてあり得ない。
凸凹道をどう進んでいくかを考える。

 

入籍した時、それまでの人生で一番幸せでした。
「入籍が一番幸せ?本当の幸せというのは、夫婦で未来の事を話し合ってる時ですけど」と友人に注意され、愚か口汚い言い争いの末、友人とは絶縁。
大げさに聞こえるかもしれないけど、天国から地獄へ突き落とされたような、そんな気分でした。
でも、それがあったからこそ、その後に知った家族の暖かさや、その後に出会った友人達に対する自分の態度、色々な事を、新しい気持ちで考え、学ぶことができたかな、とも思いました。

 

あなたの今までの人生、そしてこれからの人生を、考えるきっかけになるような、そんな本だと思います。